「ハスラー」
~J.T.S.ブラウンをボトルごとあおるポール・ニューマン~
どの酒を、どんなふうに飲むか。
そこには男の人生が色濃く映し出されてしまうものだ。
映画のタイトルともなっている”ハスラー”とは、特にビリヤードなど玉突きの勝負師のことをさす。
その賭ゲームが佳境にさしかかった頃、名手ミネソタ・ファッツが「酒と氷を」と頼むのだが、
ポール・ニューマン扮するエディはこういう。
「俺はバーボンのJ.T.Sだ。グラスはいらない」
そしてボトルごと直接、酒をあおる。
対するファッツはグラスに氷を入れて酒を飲み、
さらに状勢が不利になると顔を洗って爪を切り、
身なりをパリっとさせて再び臨むのだ。
そこには、冷静な勝負師である本物のハスラーと、
運と才能に溺れている未完の青二才との違いが見事に表現されている。
酒の飲み方に人格が現れるという絶妙な演出。
一方、ハスラーの胴元であるゴードンは「仕事中はミルク」と決めている。
彼の仕事場は賭場であり、紫煙とアルコールで充満しているというのに、
そこをミルクで通すのだからすごい。
裏社会で成功した人間は徹底している。
ゴードンはエディに言うのだ。
「酔わないのも才能だ」と。
後にこの二人がルイビルに賭ゲームの旅に出るのだが、エディは酒を飲まない。
ルイビルは実はバーボンのメッカでもある街なのに、
意地でも張っているかのように一滴も飲まず負けゲームを続ける。
エディはこの時点ではまだ酒とゴードンの言葉に囚われていて、自分を見失っている。
映画を「酒」という観点で観ると時におもしろい発見がある。
ところで、エディが好んで飲むJ.T.S.ブラウンは、樽香があり一癖ある個性的なバーボンだ。
そのJ.T.Sのうちでもエディが飲んでいるのは10年ものではなく6年ものだという説がある。
貧しいエディは身の丈に合う6年ものを選んでいた。
ただエディの持つあのスキットル型のボトルは日本に輸入されていないため、
日本ではあのタイプのJ.T.Sは飲めないのが残念だ。
はっきりとは分からない。
そこでファッツに似合う酒は何だろうかと考えてみた。
度数も強いが正統派のバーボンとも言われている「ブッカーズ」と
イメージが重なるように思ったのだがどうだろう。
☆第二回、第三回では、
ポール・ニューマンとトム・クルーズが競演した『ハスラー2』、
そして「シネマ・カクテル」アドバイザーの井口法之氏がこの道を
目指すきっかけとなったトム・クルーズ主演『カクテル』を
ご紹介していきます。
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銀座ガスライト店長。
2007年の第34回全国バーテンダーでは技能競技大会 総合優勝を果たす。
好きな言葉は「最後にバーに行け」。
バーテンダーを夜の神父だと思って、悩みがあるときはバーの扉を押してほしい。
銀座ガスライト
東京都中央区銀座8丁目7-11 ソワレド銀座第二弥生ビル6F
TEL:03-3574-7633
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(構成・文:水木麻琴)
「ハスラー」
Sell DVD価格:¥1,419(税込¥1,490)
品番:FXBNT-1006
JANコード:J988142582423
キャスト:ポール・ニューマン、ジャッキー・グリーソン、ジョージ・C・スコット
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